縁の下の恋


一理が家に戻って来ると、早速深雪が、尋ねてきた。


「一理?おじいちゃまの所は、どうだったの?」



「ええ、私の面白い子供の頃の話し沢山して下さって、本当に楽しかった。お母様…私って、あまり女の子らしくないみたいです。この間言ってらした、日舞とお茶のお稽古の件は、断っておいて頂けますか?やっぱり私行きたくありませんから。すみません。」



「そうっ?仕方ありませんわね……じゃあ大学の方は?決まったのかしら?」



「はい!一応外国語の方へ進みますので、お父様にも、今日報告しようと思っています。」


「貴女がそう決めたのなら……それが一番良い事よ!あっ、さっき届いていたのよ!明後日のピアノの発表会に着て行くドレス、お部屋に持って上がってね!」


「はい、分かりました!暫くの間ピアノ練習していますから、お父様が帰ってらしたら、呼んでくださいね!」



部屋に入ると一理は、大きく深呼吸をしてみた。


きっと両親は、外大へ行く事の方を喜ぶはず……まだその方が無難だろう…と思うしかない。
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