王子様に恋をした
社交界デビュー当日。我がシェヴェルディア伯爵家は、朝から大騒ぎでした。

社交界デビューとなるガーディランス侯爵家での舞踏会は夜なのですが、ギリギリで出来上がった私のドレスを着て、ローラ達が最終チェックをしてくれ、私の体に合わせてくれる作業があったり、舞踏会なのだから、当然あるダンスのおさらいをしたり、マナーや姿勢等淑女として出来て当たり前でありながら、いざという時に慌てることのないよう、お母様による追い込みチェックを受けたりした午前中。


午後は、髪を結い上げ髪飾りを付けたり、軽くお化粧を施して貰ったり。
微調整したドレスを着せて貰い、ハイヒールを履いて足慣らしをしたりとで忙しく過ぎていき、お母様との大好きなティータイムもままならなかった。

て言ってもね~ どうせ緊張しててお菓子なんて食べられないものね。
だって…今夜の私が社交界デビューする舞踏会には、王太子殿下も来られるのよ?緊張しちゃうに決まってるでしょう。

私は、そんな事を心の中で呟きながら、お父様達が帰ってこられるのをお部屋で本を読みながら…いや、読んでいる振りていうか全く頭に入ってこない状態で、ページをペラペラと捲っていたのでした。
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