王子様に恋をした
顔も平凡で仕事もそこそこ。唯一誇れるのは色の白さだったはずの私の顔は、頬が痩け、肌色はくすみ、目の下はコンシーラーでは消せないくらいくまが出来た。

仕方がないから眼鏡をかけて前髪で顔をかくすも、一眞さんはすぐに茶化しに来るし、社内メールで要らない事をあーでもないこーでもないと送ってくるから腹が立つ!!

社内メールはいつもシステム課にチェックされているから、私的はメールの送信は禁止だと言われているのに、一眞さんは一切我関せずで、その事でも私は神経をすり減らしていた。


アパートに帰るも、スマホを見つめ、竜二さんに送ろうかどうしようかウジウジ悩み、時間だけが虚しく過ぎていく。

それでも少しは元気にならないと、次に竜二さんに会った時に心配されてしまう、と思いたった私は、冷蔵庫の中にあったゼリーを食べる事にした。

あんなに大好きだった料理も作る気さえなく、毎晩LINEや通話をしていたキラキラした時間が、今では遠い昔の様な気さえしてき
た。

竜二さんからは相変わらず何の連絡も無いが、代わりにSMSには一眞さんから大量のメッセージが届くこの時間。

ウザくて仕方がないから、一眞さんのメッセージを無視するも、5分おきくらいに送ってくるからキレそうになっていた。

この時の私は相当病んでいて、多分生きているのか?どうかさえ分からなくなっていたんだと思う。

だから……あの日……
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