王子様に恋をした

第3幕 壊れる

12月
恋人たちは、浮き足立って、愛しい人へのプレゼントを選び、最高のXmasを過ごす計画に、心を踊らせる。

そして、年末年始への思いも馳せる。


私はすっかりやつれてしまい、集中力も落ちてきてしまっていた。

そしてとうとう、いつもはやらない様なミスをやらかしてしまった!!

上司に散々怒られたが、歯を食いしばってひたすら謝罪を繰り返した。

「月曜日までに完璧にしとけ!!朝一の会議に使うんだからな!!!!」

と課内全体に響き渡る怒声を浴び、最後に課長は盛大に溜め息をついた。

「ったく……4年も働いてるのに、使えないとか…」

その言葉はより一層私の心を疲弊させた。




休日返上をして昨日のミスを取り戻す為にパソコンと資料を睨めっこするも、頭に浮かぶのは竜二さんとあの女性の事。

溜め息ばかりついてたせいで全く仕事は捗らず、挙句一眞さんからは大量のSMS。

本当に頭がおかしくなりそうだった。

やっとの思いでミスを直して職場を出ると、

「お疲れ~」

と男性が近寄ってきた。

顔なんかあげなくたって、この緩い感じは同期の一眞さんだって分かってしまう。

「先輩じゃなくてガッカリか?」

とこちらがイラッとしているのに、声色からニヤニヤしてるのは丸わかり。



竜二さんじゃない事くらい分かるし!!
ほんとにイライラする、この人って…

「腹減ってね?ラーメン食いに行こうぜ!奢ってやるし?」

ラーメンなんて食べられる訳ないのに…いつも目敏く見破る癖に、こういう時は空気が読めない残念な同期。
< 6 / 32 >

この作品をシェア

pagetop