戀のウタ
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 バタバタと足音を響かせスカートの裾を翻しながら人気も少ない階段を2段飛ばしで駆け下りる。


 風を切る音のせいで放課後特有のざわめきは遠く自分の中で脈打つ心臓の音だけが体に響いて耳についた。

 ドクドクと体の中から伝わってくる音にさっきの恭介の「守る」という言葉が重なりかーっと体の芯から、そして顔が熱くする。


 「1人じゃ何にも出来ないドジなのに!」


 だからアタシが守んなきゃ、そう心で呟いても内側で早いリズムを刻む心音はどうにもならなくて。


 思い通りにならない自分の鼓動にアタシは「これは階段を駆け下りてるから、息が上がっているからそのせいだ」と思うことにした。
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