戀のウタ
さっきまでズームで見えていた男の顔が書き消え、真っ暗な『映像』に切り替わる。
その『映像』の真っ直中に『俺』が放り出された。
「放り出された」と認識した瞬間、目の前に白いラインがまるで木が枝を広げるように凄い勢いで走り始めた。
それと同時に数字が、アルファベットが雨のように上から下へと流れ始める。
加速して伸びて行く白いラインは暗い闇の中にある『扉』らしきものに到達し、意味の分からない数字の羅列をぶつけこじ開けて行った。
理解する前に言葉が口を突いて勝手に出る。
「登録コード:0905AB85-60 白河愁一。2006年、警察官採用試験合格、同年巡査に任命。2007年警察官として着任。2009年10月7日異動命令発令。異動先は――」
すらすらと出てくる言葉に、いや異動先を知って俺は驚いた。
「…この街に?」
驚きの直後に「何で?」という疑問が頭を埋め尽くす。
それと同時に余りにもタイミングが良すぎる内容に言葉を失った。
10月7日ってミチルがカイロスの事を知って次の日、つまり昨日じゃないか。
ミチルと古くから知ってる人間といえどこのタイミングは――。
その『映像』の真っ直中に『俺』が放り出された。
「放り出された」と認識した瞬間、目の前に白いラインがまるで木が枝を広げるように凄い勢いで走り始めた。
それと同時に数字が、アルファベットが雨のように上から下へと流れ始める。
加速して伸びて行く白いラインは暗い闇の中にある『扉』らしきものに到達し、意味の分からない数字の羅列をぶつけこじ開けて行った。
理解する前に言葉が口を突いて勝手に出る。
「登録コード:0905AB85-60 白河愁一。2006年、警察官採用試験合格、同年巡査に任命。2007年警察官として着任。2009年10月7日異動命令発令。異動先は――」
すらすらと出てくる言葉に、いや異動先を知って俺は驚いた。
「…この街に?」
驚きの直後に「何で?」という疑問が頭を埋め尽くす。
それと同時に余りにもタイミングが良すぎる内容に言葉を失った。
10月7日ってミチルがカイロスの事を知って次の日、つまり昨日じゃないか。
ミチルと古くから知ってる人間といえどこのタイミングは――。