戀のウタ
「るろ剣かー。誰から借りたの?」
「恭介。御手洗も読む?」
「読むけど『御手洗』は止めて。そっちで呼ばれるの嫌なの」
「ああそうなの?名字でイジられてた?」
「ご名答。だから止めて」
お互い視線を手に持つ漫画に落としたまま会話を続ける。
山内は読みながら女子はみんな御手洗を下の名前で呼んでいることを思い出した。
そして女子というのは面倒臭いなぁとも思う。
そんなことをぼんやりと考えながらページを捲っているとふいに里奈が口を開いた。
「ねぇどう思う、ミチルと恭介君」
「ああ、なんかあったみたいだなー」
「なんか深刻そうだよね。あんなミチル初めて見た」
「お前もそう思う?」
山内の確認の言葉に里奈がうんと頷く。
それを見とめて山内は溜息交じりに呟いた。
「御手…えっと里奈は松永との付き合いいつからだっけ?」
「私は中学から」
「そっか、俺はあいつ等とは小学校からの付き合いだからな…里奈が気付くんならよっぽどだと思う」
「なんか木村も気付いてたみたい。恭介君の掃除当番代わってあげてたし」
「あー木村も小学校からの付き合いだからなー」
「どうにか、してあげられないのかな?」
少し迷いながら里奈が山内に聞いた。
その迷いには部外者が立ち入っていいのかという疑問が混じっている。
里奈の聞きたい核の部分を感じ取った山内は少し間を開けて呟いた。
「恭介。御手洗も読む?」
「読むけど『御手洗』は止めて。そっちで呼ばれるの嫌なの」
「ああそうなの?名字でイジられてた?」
「ご名答。だから止めて」
お互い視線を手に持つ漫画に落としたまま会話を続ける。
山内は読みながら女子はみんな御手洗を下の名前で呼んでいることを思い出した。
そして女子というのは面倒臭いなぁとも思う。
そんなことをぼんやりと考えながらページを捲っているとふいに里奈が口を開いた。
「ねぇどう思う、ミチルと恭介君」
「ああ、なんかあったみたいだなー」
「なんか深刻そうだよね。あんなミチル初めて見た」
「お前もそう思う?」
山内の確認の言葉に里奈がうんと頷く。
それを見とめて山内は溜息交じりに呟いた。
「御手…えっと里奈は松永との付き合いいつからだっけ?」
「私は中学から」
「そっか、俺はあいつ等とは小学校からの付き合いだからな…里奈が気付くんならよっぽどだと思う」
「なんか木村も気付いてたみたい。恭介君の掃除当番代わってあげてたし」
「あー木村も小学校からの付き合いだからなー」
「どうにか、してあげられないのかな?」
少し迷いながら里奈が山内に聞いた。
その迷いには部外者が立ち入っていいのかという疑問が混じっている。
里奈の聞きたい核の部分を感じ取った山内は少し間を開けて呟いた。