戀のウタ
　先ほど千鶴さんに飲み物を貰って一口つけて落ち着けた所でまず「驚かないで聞いてね」と前置かれた。

　実は…、と千鶴さんが口切ったところで恭介が

「大事な事だから俺から話します」

と制止した。


　そして出てきた発言が先ほどのものだった。

　開口一番そんな事を言われてもそんな発言しか出ないのは当たり前だろう。
　アタシとしては至極当然な発言だったけど恭介はガックリと肩を落とした。
　だっていきなりそんな事を言われて信じれるわけがないじゃない。

　恭介のヘコみっぷりに向かいに座っている千鶴さんが見かねて助け舟を出した。


「ミチルさん、確かにそう言いたいのは分かるけど恭介君の言っていることは事実なの」

「そんな千鶴さんまで…」

「でも実際にあなたは恭介君の力の片鱗を目の当たりにしたはずよ」


　そう千鶴さんに言われてアタシはハッと息を呑んだ。

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