戀のウタ
「一応ね、政府発表では隕石と発表したけれども…本当は地球外生命体の小型技術プラントだったのよ」


　その言葉にアタシは言葉が詰まった。

　地球外生命体？
　小型技術プラント？

　アタシは混乱して千鶴さんの言葉を理解するよりも否定の言葉を口にする。


「そんな馬鹿な話――」

「本当だよ」

「だってそんなSFじみた話信じられる訳ないじゃない！」

「…だけどその証拠に俺がいる」

「恭介は恭介じゃない！ドジだけどちゃんと人間だよ！血だって…」


　アタシの否定の言葉を恭介はすべて冷静に肯定の言葉で上塗りしていく。

　そしてアタシの方に正面から向くと「見て」と言って殴られてまだ血の滲む口端を左手でぐっと拭った。

　すると今まで切れて赤く腫れていた口端が何も無かったように傷と腫れが消えていた。


「…うそ…。」

「本当だよ。俺は、…その落下した隕石――異星人の科学技術プラントにあった12個の生体マテリアルの１つを使った有機アンドロイドだ。」


　はっきりと、確かな口調で恭介はそう言う。

　現実味のない単語にアタシは実感が沸かずに嘘だと口にするしかなかった。
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