戀のウタ
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「さっきのは言葉のアヤ…じゃない勢い、じゃない…あーもう!ごめん、とにかく気にしないで!」


 夕暮れというにはまだ早い、でもだいぶ日も西に傾きかけた夕暮れ前の時間帯。
 誰もいない屋上にアタシの弁解というか謝罪というかなんとも言えない叫び声が響いた。


「あ、うん大丈夫、気にしてない」

「気にしてないって顔じゃないでしょ!」


 まだ曇っている恭介の表情と声色にアタシは恭介のほっぺたを両手でつまんでぎゅーっと横に伸ばす。

 横に伸ばされた口から「イタイイタイ」と聞こえるがアタシはお構いなしにつまんだほっぺたを更に引っ張って放した。


「そりゃあ恭介はドジだしツイてないし毎日なんかしでかしてるけどアタシはぜんぜん迷惑じゃないんだから!」

「…それフォローされてない…」

「いいの!とにかく!」


 そう言い放ってアタシは大きく息を吸う。


 ふいに変わった空気に自分のほっぺたを押さえていた恭介が小さく息を呑んだ。

 少し改まった空気がやけに恥ずかしくてアタシは目の前のフェンスに手をかけると小さく呟く。
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