戀のウタ
まだふわふわする意識で疑問を口にすると恭介は疑問に優しく答える。
そして心配そうにアタシの顔を覗き込んだ。
恭介の八の字になった眉を見てよっぽど今のアタシが弱々しく見えたのだろうなと思った。
恭介に心配されなくてもアタシは大丈夫だし、寧ろ心配する役はアタシの――
『ただの恭介くんへの依存じゃん』
香苗の言葉がアタシの心の中に蘇りリフレインする。
恭介の心配をすることで、保護者みたくふるまうことで恭介の隣にいることを当たり前にしている。隣にいること、常に手の届くところに恭介がいるということに安堵を覚えている。
そんな自分よがりの安心感に気付いてアタシは背筋が凍った。
保健医が不在の室内は酷く静かでその静けさが寒気を倍増させる。
アタシの唇が震えるのを見とめた恭介の顔がさらに心配そうな表情になった。
「ミチル、どう…」
「大丈夫、だから」
大丈夫じゃない。
心の底からうろたえているのにそれに反して全く逆の言葉が出てくる。
強がりというよりは「そうありたい」の願う想いから出たものだと言った後で気付いた。
そして心配そうにアタシの顔を覗き込んだ。
恭介の八の字になった眉を見てよっぽど今のアタシが弱々しく見えたのだろうなと思った。
恭介に心配されなくてもアタシは大丈夫だし、寧ろ心配する役はアタシの――
『ただの恭介くんへの依存じゃん』
香苗の言葉がアタシの心の中に蘇りリフレインする。
恭介の心配をすることで、保護者みたくふるまうことで恭介の隣にいることを当たり前にしている。隣にいること、常に手の届くところに恭介がいるということに安堵を覚えている。
そんな自分よがりの安心感に気付いてアタシは背筋が凍った。
保健医が不在の室内は酷く静かでその静けさが寒気を倍増させる。
アタシの唇が震えるのを見とめた恭介の顔がさらに心配そうな表情になった。
「ミチル、どう…」
「大丈夫、だから」
大丈夫じゃない。
心の底からうろたえているのにそれに反して全く逆の言葉が出てくる。
強がりというよりは「そうありたい」の願う想いから出たものだと言った後で気付いた。