戀のウタ
大見栄を切る俺に千鶴さんは笑いながら持っていた今日のマニュアルファイルを渡してくれた。
それを受け取り俺は駆け足でドアをくぐりラボから出――…
「ぁいたァ!!」
ドアを出てすぐに置きっぱなしにされていた機材に足を取られすっ転んだ。
俺の声と機材の倒れる音に驚いた千鶴さんが慌ててラボから出てくる。
倒壊した機材と床に散らばったマニュアル、それに転がった俺を見て果てしない溜息を吐いた。
「…このトラブル体質、どうにかならない?」
「仕方ないわよ、カイロスの力で本来の起こるべき事象を歪めてるんだからその反動だもの」
俺を見下ろしながら千鶴さんは再び溜息を吐いた。
呆れ顔の千鶴さんを見ながらミチルもこんな顔してくれるかなぁなんて考える。
俺はずれた眼鏡を直すと「ああやっといつもの日常らしくなってきたなぁ」とちょっとズレた感想を唇に乗せてマニュアルの散らばる床に転がったまま天井を仰いだ。
それを受け取り俺は駆け足でドアをくぐりラボから出――…
「ぁいたァ!!」
ドアを出てすぐに置きっぱなしにされていた機材に足を取られすっ転んだ。
俺の声と機材の倒れる音に驚いた千鶴さんが慌ててラボから出てくる。
倒壊した機材と床に散らばったマニュアル、それに転がった俺を見て果てしない溜息を吐いた。
「…このトラブル体質、どうにかならない?」
「仕方ないわよ、カイロスの力で本来の起こるべき事象を歪めてるんだからその反動だもの」
俺を見下ろしながら千鶴さんは再び溜息を吐いた。
呆れ顔の千鶴さんを見ながらミチルもこんな顔してくれるかなぁなんて考える。
俺はずれた眼鏡を直すと「ああやっといつもの日常らしくなってきたなぁ」とちょっとズレた感想を唇に乗せてマニュアルの散らばる床に転がったまま天井を仰いだ。