佐々木くんの隣
「なにあの子、話しかけてもらったからって調子乗りすぎじゃない?」
「ちょー態度わるーい」
聞こえるくらいの小さな声で、私は女子からの批判の言葉を浴びる。
「……っ!」
面倒くさい、面倒くさい……!!
私は何もしてないのに!
ただ私は、平穏で、静かに、誰とも関わらず一人で過ごしたいだけなのに。
どうして初日からこうなるの?
もし、私が普通だったら……こんなことにはならないのに。
ガタン!と席を立ち上がった私は、教室を勢いよく出ていった。
なんなのあの佐々木って男!
初対面なのにへらへらと笑いかけてきて、ムカつく!
ひたすら階段を上ると、屋上らしき場所へと通じる扉が見えた。
私はドアノブに手をかけ、ガチャンと扉を開いた。
ビュウッ!と風が押し寄せてきたけど、私は負けずと屋上へ一歩踏み出した。
疲れる……。
どうして私は、うまくやれないんだろう。
むかつく、ムカつく、ムカツク!!
ムカつくのは、私自身なの、いつも。