佐々木くんの隣
「…………?」
あ……れ?
おかしい。
おかしいおかしい。
左眼が、反応しない。
文字が出てこない。
どうして?
「……キミは……」
ビクッ
佐々木海斗が、また私に話しかける。
「キミは、その眼をコンプレックスに思っているようだけど……俺はキミのその眼、とても綺麗だと思うよ。」
……は?
何言ってんのこの人。
みんな気味悪がって……親までこの眼のこと、気持ち悪がってるのよ?
嘘ばっかり……
でも、なんで?
左眼……何も視えてこない……。
「失明してる……っていうのは、驚いたけど……。やっぱり、俺はキミと友達になりたい。仲良くなりたいし、色々キミのこと知りたい。」
……どう、して……?
ひとつも……反応しない……。
この男が言っていることに、嘘だぞと、いつものように……文字が出てこない……。
「……俺の本心……伝わった?」
本……心……?
彼の言っていることが、全て本心だというの?
嘘偽りない、本当の言葉だっていうの?
ありえない。
そんなのありえない!
だって、だって人はみんな……嘘……ばかりなのに……。
私は信じない……。