佐々木くんの隣



「なに、これ……」


一目で見てわかる黄色い瞳。

どうしてこんなことになったのか、わけがわからず私は怖くなり母親に飛びついた。


「ね、ねぇ、見てこれ……」


左眼を見せると、母は慌てて私を連れて病院に駆け込んだ。

検査をしたけど瞳の変色の原因は不明で、だからといって目に問題があるわけでもなかった。

変わらずただ見えない左眼のまま。

家に帰って父にも報告すると、「本当に問題はないのか!?」と心配の声を上げていた。




その時だった。




私の見えない左眼には、


『これ以上問題を起こさないでくれ』


そう“文字”が見えた。




……え?




左眼を擦り、もう一度父を見上げる。

すると、今見えた文字がなくなっていた。

また、暗い元の状態へと戻っている。



なに、今の……。


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