佐々木くんの隣



私は、外に出る時は眼帯をすることにした。

黄色い瞳なんて、変に思われる。

そう思ったのだ。




そしてある日、私は母に聞いた。


「ねぇお母さん、私のこの目の色……変?」


左眼を見せ尋ねる私に、母は笑顔で言った。


「そんなことないわよ、珍しい色でとても綺麗。どうしてこうなったのかはわからないけれど、問題がないのならお母さんはこの色好きよ。」


……よかった。


そう胸をなでおろした瞬間だった。

また、あの時のように“文字”が見えたのだ。


『気味の悪い色』


……え、また……。

なんなのこれ、どうしてこんな文字が……?


私は何を思ったのか、ふと、また母に質問をした。


「……ねぇ、本当に、変な色じゃない?」

「ええ、素敵よ」


母がそう答えた直後、また私の目には“文字”が浮き出た。


『気味が悪いってば』


……もしかしてこれ……お母さんの……本音……?


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