眠り姫は王子に愛される
「…志緒はくっつきたくないよね?」
「そんなわけないでしょ。ずっと抱きしめていたいよ。朝になっても離したくないくらい」
寝る間際にそんな甘い台詞を頂いてしまっては、興奮で目が覚めてしまう。
むず痒い心地も恥ずかしくて、志緒の胸に顔を近付けることで顔の赤さを隠そうとした。
すると、「可愛い」と追い打ちをかけられてしまい、思わず顔を上げる。
と、自分から近付いたのに、距離の近さに戸惑い、ずっと一人であたふたしている。
「もうっ!」
「どうしたの?」
「志緒は、私のことを甘やかしすぎだって、何度言えば分かるの」
「何度言われても甘やかしたいから仕方ないよね」