眠り姫は王子に愛される
正直、今はもっともっと勉強がしたいと思う。
でも、折角志緒はお休みなのに、私だけ勉強していたら貴重なお休みが暇な時間で終わってしまうかもしれない。
揺れ動く天秤を大きく動かしたのは、やっぱり志緒の言葉。
「今日は天気が良いから、湖宵には案内してなかった奥の庭園を見せたいな」
「…まだ私の知らない場所があったんだ…」
それはそうか。
この広いお屋敷の中、未だに迷いそうなほどなのだ。
最初に簡単に案内されただけで私が行ったことのない場所があったって何も不思議ではない。
毎日、学校から帰って来たときに少し寄っている庭園は綺麗に整えられて、彩りが豊かで私のお気に入りの場所。
でも、他にも庭園があるというなら、きっとそこも素晴らしい場所だろう、行ってみたい。
「行きたい!」
勉強の意識は振り払われ、完全に志緒に流される形でまだ見たことのない庭園へ足を向ける。