眠り姫は王子に愛される





「えっと、私は志緒のお家に住むことは決定なの?」

「そうだね、湖宵の両親には了承得てるし」

「どうしてそうなったの?」

「─── 湖宵が僕と結婚するからだよ」



……え?……けっこん…?


更に実感の湧かないワードが自分に降りかかっていることに脳は完全に思考停止状態。



「湖宵?」

「……」

「おーい」

「ふぇ…?」

「パニックになると固まるところは変わってないね」



志緒が何を言っているかも聞こえず、説明されても受け入れられないので疑問符は頭から消えてくれない。


そんな中で、笑顔が崩れない志緒は固まって動けない私を抱き寄せる。


距離が近くなったことにも気付かず、スムーズに学校に到着したことにすら気付かず。



「こーよーいー」

「……しお」

「学校着いたよ」

「へ?……あ、学校」

「降りようか」



終始笑顔のままの志緒に手を引かれて、リムジンから降ろされる。そのまま何故か手を繋がれたまま、校舎に向かって歩いて行く。この知らない土地で勝手にどこかへ行くほど好奇心の強い子どもじゃないのに。


周りは当然ながら同じ制服の人で溢れている。それでも、志緒がやって来ると、目に留める人が多くて、私まで一緒に注目も浴びる羽目に。




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