眠り姫は王子に愛される





「おはよう、湖宵ちゃん」

「おはよう、百合ちゃん」

「今日は一緒に登校できたんだね、良かったね」

「えへへ、うん、嬉しい」



はにかみながら百合ちゃんに笑顔を向ける。
「可愛いっ」と心の声が漏れた様に零しながらも嬉しそうに微笑み返してくれた。


この笑顔の方が何倍も可愛いし、まるで女神だ。


そんな話をしながら志緒の方を見ると、久しぶりに来た志緒はクラスメイトに囲まれて人気者。
上品に微笑みあう姿は、やはり育ちの良さが表れていて、先程まで私が隣に居た時とはまるで空気が違う。


些細な雰囲気にさえ他人と比べてしまい落ち込んでしまうけれど、隣に居た百合ちゃんは察しが良く。




< 111 / 159 >

この作品をシェア

pagetop