眠り姫は王子に愛される
何も知らない私に向けて、丁寧に、厳しく、ありがた迷惑な話をする。
ここできっぱりと断る自信があれば、終わる話なのに。
最近志緒の傍にいることへの戸惑いと不安で揺れ動いている矢先の出来事で、何も反論が出来ない。
志緒にもつい先程何もしなくて良いと言われたばかりだ。
学生の頃から経営について学び、後に責任ある立場として生きていく人が多いこの世界で、何もしない人なんてきっと存在しない。
何もしなくて良い、は本当は諦めの言葉だったのだろうか。
いつも寝てばかりだから、何も出来ないと思われてしまったのだろうか。
きゅ、と唇を噛み締めて、マイナス思考から抜け出そうとしても、ぐるぐると追いかけて来る。