眠り姫は王子に愛される





腕枕で密着した状態からさらに顔を近付けて額を合わせる。


視界いっぱいに志緒の顔が映って、綺麗な顔に目が眩みそう。
どうして格好良いというだけでこんなにくらくらするの。お酒を飲んだことも無いのに、酔った気分になってふわふわと高揚した気持ちで志緒に思ったままの言葉をぶつける。



「あのね、志緒はいつも優しくて、格好良くて、湖宵の王子様なの。

小さい頃の約束をずっと覚えていてくれて、約束通り迎えに来てくれて、何があっても私を守ろうとしてくれるところもすごく好き。
ちょっと過保護なところもあるけど、いつでも見守ってくれてて、何かあればすぐに気付いて駆けつけてくれて、いつも最初にぎゅっと抱きしめてくれるの。私、志緒の体温が1番落ち着くようになっちゃった。

志緒に抱きしめてもらわないと眠れなくなっちゃったんだからね」


「湖宵の声だけがいつも耳に馴染んで、笑っても怒っても泣いても全部耳に響いて焼き付いて離れないんだ。記憶から1番最初に消えるのは声だっていうけれど、湖宵の声を忘れたことはなかったよ」



至近距離で見つめ合って、お互いの言葉に照れて、微笑みあって、たまに隠れるようにキスをして。

この時間が、この場所が、幸せを表している。



「ずーっとこのままがいいな」

「そうだね、このままが1番幸せだね」

「えへへ、私も1番幸せ」




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