眠り姫は王子に愛される





気付けば鞄もメイドさんが持っていて、今日貰ったばかりの鞄に触れたのは数十秒(教科書を取り出す時のみ)程度。



「さあ、湖宵様はお着替えをいたしましょう」



突然不思議な世界に飛び込んでしまったような感覚が消えないまま、ふわふわした気分。


知らない世界にまたしても飛び込んでしまい、不安だったけれど、志緒を見上げると「可愛い湖宵に変身しておいで」と微笑まれる。


志緒のお家だから大丈夫、と思い直し、メイドさんに着いて行くと、広い部屋に辿り着いた。



「わあ、可愛い!」

「湖宵様のお部屋でございます」

「え!私はここで過ごすの?」

「お洋服はこちらの中からお選びください」

「多すぎ!」



広い部屋はパステルピンクと白で纏められている。その部屋の中には大きなクローゼット。開けば多すぎて全部を着られるのか怪しいほどに洋服が入っていた。


しかも全て今の季節に合ったもの。私の大好きなチェック柄が多くて何を着るか悩んでしまう。




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