眠り姫は王子に愛される





悩みに悩んで何とか決めた私はその後、お家の中を案内された。


リビング、キッチン、お風呂場、洗面所、書斎、庭園など。
全部が広くてずっと開いた口が塞がらなかった。


そして、私の部屋と志緒の部屋は繋がっており、最初に入った部屋の奥には寝室(お互いの部屋とも繋がっている)、その隣にはバスルームも付いていて、ここだけで十分に暮らせそうな造り。



「以上で案内は終了ですが、何か気になることはございますか?」

「寝室にベッドが1つしかなかったんですけど…」

「湖宵様は本日から志緒様とお休みになります」

「そ、それ拒否権ありますか」

「申し訳ございません。志緒様のわがままにお付き合いください」



ということは、強制的に志緒と眠らなければならない。


眠ることが大好きで、暇さえあれば寝たいのに、何よりも優先したいことが邪魔される予感がするのは、志緒への信頼が足りないせいだろうか。


どこでも寝られるタイプではあるけれど、流石に他人と同じベッドで寝たことはない。


今日からどうなるのだろう…?




< 23 / 159 >

この作品をシェア

pagetop