眠り姫は王子に愛される





「湖宵ちゃん!今度お家に遊びに来ない?」

「ふぇ?」

「お家に試作品のお洋服がたくさんあるんだけど、湖宵ちゃんに似合うと思うの!」

「……私に着れるかな?」



百合ちゃんのお家はお洋服のブランドを経営している。
メインはパーティ用ドレスなので、私には縁がないはず。カジュアルなお洋服もあるにはあるけれど、気合を入れてお出かけをするときに着るようなワンピースだった。


しかも、その試作品となればモデルは百合ちゃん。
ブランドの経営側に立つには未熟だからと、小さい頃からブランドの専属モデルをしながら、勉強もしているらしい。


モデルとなる百合ちゃんのスタイルは勿論文句なし。
168cmの高身長で、手足が長く、華奢で折れそうな細さ。


実際に並んでいるお洋服ならともかく、百合ちゃん基準で作られたお洋服を私が着るのはどう考えても厳しい。だって、私は155cmと女子にしては高くもなく低くもなくという身長だから。



「湖宵ちゃんは可愛いから何でも似合うよ!私ね、湖宵ちゃんに出会ってからお洋服のイメージがたくさん湧いているの。湖宵ちゃんが可愛いから着て欲しいって思ってる」

「そ、そんな…」




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