眠り姫は王子に愛される





こくり、頷いて物分かりのいい振る舞いをしてみたって、本当は心の中ではモヤモヤ。


私が居なかったら2人は仲が良かったはずで。それを私が引き裂いているようにしか解釈できない。


もしかしたら、私が婚約者という立場にならなければ、志緒と婚約していたのも百合ちゃんかもしれない。志緒のお家と百合ちゃんのお家がタッグを組めば、パーティ会場から衣装まで全て賄えることになる。


対して私は所詮一般庶民なので、結婚したってメリットは何一つなし。


考えれば考えるほど、自信を失くし落ち込んでいくのが分かった。



「湖宵は自分に自信を持つべきだよ」

「…うん?」

「白波瀬さん、湖宵が世界で1番可愛いってことを証明できる?」

「当たり前でしょ」

「な、なに?」

「僕も一緒ならモデル受けてもいいよ」

「やったあ!じゃあ週末には撮影の準備整えておくね」



???

頭の中を表すとすればまさにこう。
疑問符ばかりで埋め尽くされているが、私が理解するよりも先にチャイムが鳴って残念ながら分からず仕舞い。


授業が始まれば、睡魔が襲って抵抗なく眠ってしまい、起きる頃には忘れてしまっていた。




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