眠り姫は王子に愛される





………ん?
今日から一緒に暮らす…?え?


少しずつ覚醒してきた頭が情報を整理していく。


これは夢じゃなくて、王子様みたいな彼も現実で、迎えに来てくれた事も現実で、そして一緒に暮らすのも現実……?


本当にこれら全てが夢じゃないの?



「湖宵ー?いつまで寝てるのー!」



挙句の果てに、お母さんの声がそんなに遠く感じない。これが多分1番現実味を帯びている。


でも、一緒に暮らす人のことくらい教えといてくれてもいいのに!


じわじわ、理解していくにつれて、焦りが募ってくる。


学校に遅刻するかもしれないからではなく、志緒というイケメンに寝顔を見られて突然初めましてを迎えたから。



「おはよう、眠り姫」



ふわり、物腰柔らかに近付いたと思うと、瞼に1つキス。



「これからよろしくね」

「よ、良くない目覚めだ…」



それと共に夢だと思っていたことが夢じゃないことが発覚しそうだ。




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