眠り姫は王子に愛される





「1人にするべきじゃなかったね、ごめんね」

「もう!謝らないで」



しゅん、と何故か落ち込んで謝り続ける志緒を怒って止める。


志緒は悪くないんだから謝る必要なんてないのに。

寧ろ、私がもっとしっかりしていればこんなにしつこく絡まれることはなかった。


私の対応力のなさで志緒が謝るのは違う。


「これ以上謝ったら今日の勉強は千賀さんに教えてもらう」と言うと、苦笑いしながらダメだよと制された。


先日の志緒の突然の不機嫌は結局分からないままだし、志緒も詳しく教えてくれない。

話題に出す度に、反省の色を見せて苦笑いで何も言い返せなくなることが分かったので、何度か志緒を押し込めるために使っていた。悪い子でごめんなさい。



「それより早く寝たい…」

「もうちょっと湖宵とのデートを楽しみたかったけど、厄介な奴がうろついてるから今日はもう帰ろうか」



志緒と話せば少しは眠気に耐えられるものの、普段の睡眠時間からすれば随分と少ない。


車のお迎えが来たら絶対に車内で眠る、と断言できる程度にはそろそろ限界に近くなっていた。




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