雲の向こう
あらゆる目線から
解放された 頃…


窓の外は 夕方だった。


空は 茜色に染まり


形を変えた 雲が
ゆっくり 流れて


時計を 見ることも
しなくて いいほど


時間を推測することが 出来た。


おそらく
16時ぐらいだろうと

そんな 気が していた。


4人 部屋なのに
私 ひとりだけしか
姿がない。


お陰で 気楽で 居られた


再び 窓に目を 向けると…


車椅子に 乗り
空を 眺める人の
姿が あった。


遠くなので 顔までは 見えなかった。


「何してるんだろう…?」


私は ひとり
呟いていた。
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