授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
ちょうどミルクの時間が終わって、翔太君はスヤスヤと寝ている。何もかもが小さくて、可愛くて天使みたいだ。見ているだけでほわんと気持ちが和む。

「菜穂、これ渡すんだろ?」

「あ、そうだ。ありがとうございます」

黒川さんに持たせてしまっていたお土産の紙袋を受け取り、「ちょっとした物なんだけど……」と聖子に手渡したら、彼女はパッと顔を明るくさせて喜んでくれた。

「ありがとう! 果物食べたくても手間でつい億劫になっちゃうのよね、だからゼリーとか助かるよ~。あっ、このコーヒー私の好きなやつ!」

よかった! 喜んでくれたみたいだね。

母親になった聖子を見ていたら、ふと初めて彼女と出会ったときのことを思い出した。

あれは五年前の大学生生活が始まって間もない頃――。
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