授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
聖子に紗希さんのことを話すと、帰国を喜んだ弥生さんとは打って変わって聖子はあからさまに表情を曇らせた。
「ぶっちゃけ、私あの人のこと苦手なんだよね……なんか高飛車な感じがさぁ、確かに美人だし、弁護士で頭も良くってああいう人のことを才色兼備って言うんだろうけど」
聖子は頬杖をつき、面白くなさそうに唇を尖らせている。
「私はそんなに嫌な感じしなかったけどなぁ」
「菜穂はまだあの魔性の女のこと知らないからそんなことが言えるんだって! 菜穂、いい? 紗希さんと黒川先生の噂なんて信じちゃだめだからね」
「……噂、って?」
きょとんとしている私の反応を見て、聖子が「しまった」というように目をうろうろと泳がせた。
「え? やだ、もしかして……お母さんからなにも聞いてない、とか?」
「紗希さんが坂田法律事務所の弁護士ってことと、メディアでも騒がれてる美人弁護士で、アメリカの大学で講師として呼ばれて昨夜帰国したってことは聞いたけど……ねぇ、紗希さんと黒川さんの噂って何?」
いまだに目が泳いでいる聖子の視線をガシッと捕らえるように見つめると、聖子が観念して口を開いた。
「実は……あのふたり、付き合ってたって噂があるんだよ」
「え?」
「ぶっちゃけ、私あの人のこと苦手なんだよね……なんか高飛車な感じがさぁ、確かに美人だし、弁護士で頭も良くってああいう人のことを才色兼備って言うんだろうけど」
聖子は頬杖をつき、面白くなさそうに唇を尖らせている。
「私はそんなに嫌な感じしなかったけどなぁ」
「菜穂はまだあの魔性の女のこと知らないからそんなことが言えるんだって! 菜穂、いい? 紗希さんと黒川先生の噂なんて信じちゃだめだからね」
「……噂、って?」
きょとんとしている私の反応を見て、聖子が「しまった」というように目をうろうろと泳がせた。
「え? やだ、もしかして……お母さんからなにも聞いてない、とか?」
「紗希さんが坂田法律事務所の弁護士ってことと、メディアでも騒がれてる美人弁護士で、アメリカの大学で講師として呼ばれて昨夜帰国したってことは聞いたけど……ねぇ、紗希さんと黒川さんの噂って何?」
いまだに目が泳いでいる聖子の視線をガシッと捕らえるように見つめると、聖子が観念して口を開いた。
「実は……あのふたり、付き合ってたって噂があるんだよ」
「え?」