授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
日中は上着を着ていると少し小汗をかくくらい天気がよく、暖かな陽気が続いていると思ったら、今日は朝から雨がしとしとと雨が降っていた。

「じゃあ、行ってくる。終わり次第すぐ帰るから。あ、お土産なにがいいか後でメールでもしてくれ」

「はい。気をつけて行って来てくださいね、雨も降ってるし」

「わかってる。ああ、それから、あまりひとりで外をうろつくなよ? 特に夜」

弁護士は、依頼を受ければ日本全国どこでも飛んでいく。遠方の裁判所へ行ったり、現地を見分けしたり、会議に出席したり地方での仕事も様々だ。黒川さんは知り合いに勧められて、という依頼人と直接面会に行くため一泊二日で出張に行くことになった。

「大丈夫ですよ、もう心配性なんだから」

「君のことを溺愛してるからな、どんな些細なことでも心配するさ。じゃあな」

いってらっしゃいのキスをして、忙しなく彼が出て行くとほんの少し心細さが湧くけれど、自分もそろそろ仕事に行く準備をしなければいけないことに気づいて慌てる。

急がなきゃ!

タオルを手に取り、朝のシャワーを浴びるためにバスルームへ入ると、ほんのり黒川さんのボディソープの残り香が鼻を掠めた。
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