授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
第八章 黒川真由の真実
なにも言葉が出てこなかった。私の父は黒川さんも言っていたように法曹界では名の知れた人物のようだから紗希さんが知っていたとしても違和感はない。けれど、黒川さんの父親のことまで知っているとなると、それだけ親しい間柄ということになる。
目を見開いたままでいると、紗希さんの肩が揺れた。私の反応を見て笑われたのかもしれない。
「私の父のこと、ご存じなんですね」
「当たり前よ~、こう言ったらなんだけど私たち弁護士にとって松下検事は目の上のたんこぶみたいな存在なんだから」
綺麗で美人で聡明な紗希さんだけど、なんだか徐々に化けの皮がはがれてきたような気がする。歯に衣着せぬ物言いは、彼女のはっきりとした性格がよく表れている。けれど、その裏に悪意が見え隠れしているような気がしてならなかった。
「だからね、検事の娘と婚約だなんて……ちょっと謎なのよねぇ」
まぁ、普通に考えればそうなのかも……。親族同士でうまくいかないのは目に見えてるし。
目を見開いたままでいると、紗希さんの肩が揺れた。私の反応を見て笑われたのかもしれない。
「私の父のこと、ご存じなんですね」
「当たり前よ~、こう言ったらなんだけど私たち弁護士にとって松下検事は目の上のたんこぶみたいな存在なんだから」
綺麗で美人で聡明な紗希さんだけど、なんだか徐々に化けの皮がはがれてきたような気がする。歯に衣着せぬ物言いは、彼女のはっきりとした性格がよく表れている。けれど、その裏に悪意が見え隠れしているような気がしてならなかった。
「だからね、検事の娘と婚約だなんて……ちょっと謎なのよねぇ」
まぁ、普通に考えればそうなのかも……。親族同士でうまくいかないのは目に見えてるし。