授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
気まずい雰囲気が流れ、歩み寄れないか問われて答えを返さないまま車はベーカリーカマチの店の前に到着した。
父によっていきなり店を辞めさせられてしまい、連絡もできずに一週間も経ってしまった。事の経緯をなんて説明しようかと考えながら目を凝らして車から店の中を見ると、相変わらず忙しそうに弥生さんが仕事をしていた。そんな姿を見ていると切なくて目頭に熱を持ち始めてしまう。
「俺は店の外で待ってます」
「え? 車の中で待っててくれても……」
「松下検事からあなたに電話をさせないようにと言われてるんです」
はぁ、つまり監視役ってわけね。まったくお父さんってば、ほんと抜け目ないんだから。
板垣さんも普段、仕事で張り込みし慣れているから目はいいはずだ。だからコソコソと店の電話で黒川さんと連絡を取ろうものなら、二度と外に連れ出してくれなくなるかもしれない。
隙を突いて黒川さんとなんとか連絡が取れればいいんだけど……下手な真似して今よりももっと悪い状況にするのは得策じゃないよね。
「わかりました。挨拶だけしてきます」
父によっていきなり店を辞めさせられてしまい、連絡もできずに一週間も経ってしまった。事の経緯をなんて説明しようかと考えながら目を凝らして車から店の中を見ると、相変わらず忙しそうに弥生さんが仕事をしていた。そんな姿を見ていると切なくて目頭に熱を持ち始めてしまう。
「俺は店の外で待ってます」
「え? 車の中で待っててくれても……」
「松下検事からあなたに電話をさせないようにと言われてるんです」
はぁ、つまり監視役ってわけね。まったくお父さんってば、ほんと抜け目ないんだから。
板垣さんも普段、仕事で張り込みし慣れているから目はいいはずだ。だからコソコソと店の電話で黒川さんと連絡を取ろうものなら、二度と外に連れ出してくれなくなるかもしれない。
隙を突いて黒川さんとなんとか連絡が取れればいいんだけど……下手な真似して今よりももっと悪い状況にするのは得策じゃないよね。
「わかりました。挨拶だけしてきます」