授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
学生時代、サークルで知り合った彼氏を一度父に紹介したことがあった。けれど、父は彼の素性をしつこく尋ねたり、たまたま彼の父親が弁護士だったということもあり猛反対された。それ以来なんとなくギクシャクしてしまい、挙句の果てには『菜穂と付き合っていく自信がなくなった』と言ってフラれてしまった。そのことを知っている聖子は私の気持ちを察して「そっか」と小さく呟いた。
「聖子が心配してくれてるのはわかるんだ、ありがとうね。そうだ、明日から仕事始まるし! 頑張ろうよ」
『う、うん……実はね』
聖子のことだからいつものように元気な返事が返ってくるものだと思っていたけれど、なんだか歯切れが悪い。
「どうしたの?」
そう尋ねてから聖子は予想外の言葉を口にした。
『出産予定日が早まりそうなの。来週から入院を勧められてる』
「え?」
『初産だし不安だから……お店のことももちろん気がかりだけど、入院しようかと思ってるんだ』
今日は金曜日だから実質、聖子と一緒に仕事ができるのは週末のみということになる。それはそれで残念だけど、今は聖子自身の身体が一番大事だ。
「大丈夫! 清隆さんも弥生さんだっているし、光弘さんはお見舞いとかで忙しくなるだろうからそのぶん私が頑張るよ! 聖子は元気な赤ちゃん産むことだけ考えて、ね?」
『菜穂ぉ~うんうん! ありがとう』
リストラされて路頭に迷いそうになっていた私に彼女は手を差し伸べてくれた。それがきっかけで黒川さんというステキな彼とも巡り会えた。お礼を言うのはむしろ私のほうだ。
「聖子が心配してくれてるのはわかるんだ、ありがとうね。そうだ、明日から仕事始まるし! 頑張ろうよ」
『う、うん……実はね』
聖子のことだからいつものように元気な返事が返ってくるものだと思っていたけれど、なんだか歯切れが悪い。
「どうしたの?」
そう尋ねてから聖子は予想外の言葉を口にした。
『出産予定日が早まりそうなの。来週から入院を勧められてる』
「え?」
『初産だし不安だから……お店のことももちろん気がかりだけど、入院しようかと思ってるんだ』
今日は金曜日だから実質、聖子と一緒に仕事ができるのは週末のみということになる。それはそれで残念だけど、今は聖子自身の身体が一番大事だ。
「大丈夫! 清隆さんも弥生さんだっているし、光弘さんはお見舞いとかで忙しくなるだろうからそのぶん私が頑張るよ! 聖子は元気な赤ちゃん産むことだけ考えて、ね?」
『菜穂ぉ~うんうん! ありがとう』
リストラされて路頭に迷いそうになっていた私に彼女は手を差し伸べてくれた。それがきっかけで黒川さんというステキな彼とも巡り会えた。お礼を言うのはむしろ私のほうだ。