君にまつわるエトセトラ【完】
Room6.いない寂しさ
「え?出張?」
「そうそう、明日から。悪いね、急で」
火曜日の夜。
たまたま同じくらいに仕事が終わり、夕飯の材料を一緒に買おうとスーパーに寄った。
私が買い物カートを押していると葛城くんはサラッと出張のことを打ち明けた。
「どこ行くの?」
「大阪かな。なんか、欲しいのあれば買ってくるけど」
「えー、たこ焼きでしょー、チーズケーキに豚まん。あー、考えただけでヨダレが……」
「ほんっと、食い意地張ってるね?」
「うっさい」