虐げられた悪役王妃は、シナリオ通りを望まない
「あなたは行かなくていいのですか?」
「ええ。家族とは帰る時間になったら合流します」
ローヴァインはアリーセと家族が上手くいっていないことに気付いただろうか。
さっきの話ではあまり社交界に出ないみたいだったから、噂を知らないのだろうけど。
次に再会したとき、彼がどんな態度を取るか気になった。
夜会帰りの馬車はなんとも言えない空気が漂っていた。
ユリアーネのデビューは大成功で、予想通り令嬢の中で一番人気。ダンスの申し込みは誰よりも多かったとか。
ちなみに一番不人気なのがアリーセなのは言うまでもない。
エルマは早くもユリアーネの結婚相手の選別を初めているようで、どこの令息が良いとか駄目だとか公爵に報告している。
でも愛娘のデビューの成功にも、公爵は浮かない表情だった。
エルマの言葉にも上の空で、ユリアーネに対しても笑顔を見せない。
エルマもその様子に気付いたのか、顔を強張らせ始める。
そんな中、公爵が突然私に話しかけた。
「ローヴァイン殿とは何の話をしたんだ?」
「……初対面なので大した話はしていませんが」
「辺境伯殿については?」
もしかして探られている?
「特に話題に上りませんでしたが」
辺境伯を気にしているのは意外だった。これまでの仕打ちから、アリーセの母の実家なんて気にも留めていないのだと思っていたのに。
「お姉様、ローヴァイン様とお知り合いになったのですか?」
「ええ。家族とは帰る時間になったら合流します」
ローヴァインはアリーセと家族が上手くいっていないことに気付いただろうか。
さっきの話ではあまり社交界に出ないみたいだったから、噂を知らないのだろうけど。
次に再会したとき、彼がどんな態度を取るか気になった。
夜会帰りの馬車はなんとも言えない空気が漂っていた。
ユリアーネのデビューは大成功で、予想通り令嬢の中で一番人気。ダンスの申し込みは誰よりも多かったとか。
ちなみに一番不人気なのがアリーセなのは言うまでもない。
エルマは早くもユリアーネの結婚相手の選別を初めているようで、どこの令息が良いとか駄目だとか公爵に報告している。
でも愛娘のデビューの成功にも、公爵は浮かない表情だった。
エルマの言葉にも上の空で、ユリアーネに対しても笑顔を見せない。
エルマもその様子に気付いたのか、顔を強張らせ始める。
そんな中、公爵が突然私に話しかけた。
「ローヴァイン殿とは何の話をしたんだ?」
「……初対面なので大した話はしていませんが」
「辺境伯殿については?」
もしかして探られている?
「特に話題に上りませんでしたが」
辺境伯を気にしているのは意外だった。これまでの仕打ちから、アリーセの母の実家なんて気にも留めていないのだと思っていたのに。
「お姉様、ローヴァイン様とお知り合いになったのですか?」