虐げられた悪役王妃は、シナリオ通りを望まない
今後の計画を、とりあえず紙に書きだしてみる。

① 屋敷を抜け出し町に出てみる。
② 人々の生活を観察し、私でも出来そうな仕事を探す。
③地図を手に入れて引っ越し先や移動手段を調べる。

貴族じゃなく一般市民として暮らすにしても、この辺りの町では公爵家の関係者に見つかってしまいそうだ。

なるべく遠く、出来れば外国に行きたい。

そんな感じで、大まかな方針を決定した。



決心した翌日。

朝の仕事を終えた侍女がいなくなると直ぐに外出の支度を始めた。

アリーセは自由な外出が許されていないから、侍女が不在の時間に抜け出すしか方法がないのだ。

彼女が戻るのは夕方だからそれまでに戻らないと。

急ぎでアリーセのクローゼットの中から町に着ていけそうな服を探す。

貴族令嬢とは思えない程の数しか服を持っていないので、容易く灰黄色のワンピースを見つけられた。あまり目立たない上に、動きやすそうでいい感じだ。

実際身に着けて姿見の前に立ってみる。

地味な服なのにアリーセ自身の容姿が素晴らしく少し目立ってしまいそうだと感じたでの、人目を引きやすい銀の髪を纏めてワンピースと同色の帽子を被る。

これでみすぼらしくはないけど、貴族令嬢には見えないはず。

生粋の庶民である私の立ち振る舞いも合わされば、町に上手く馴染めるだろうと満足した。

さて、では出かけましょう。
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