続・隣人はクールな同期でした。

もちろん
その声はジンにも届いているワケで…


『病院…って
 お前まさか…心臓に何か…』


電話口からでも血の気が引いていくのがわかるほど
深刻そうなジンの声色に
コレは暫しマズイ状況かもと悟った。


「ジン、大丈夫だから落ち着いて聞いて。
 さっき、ひったくりにバッグを盗まれて
 それで今、交番で被害届の手続きしているんだよ。
 心臓はとりあえず落ち着いているんだけど
 ちょっとケガをしたから…
 このまま掛かりつけの病院に行ってくるけど
 心配しないで…」


ようやく今までの出来事を伝えられたが
言葉にしてみると結構な事件なのがわかる。

だからそんな内容だと知れば
ジンの事だから
心配するなというほうが無理な話。


『今から俺もそっちに行く』


急に冷静に
いつものクールダウンな声に戻っていて。
いや、むしろかなり焦っているようにも思える。


「来るって…仕事中でしょ?」

『今はそれどころじゃねぇよ。
 お前の方が大事』


いきなりそんなセリフ…


嬉しい反面、すごく複雑よ。
仕事も大事だからね。
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