続・隣人はクールな同期でした。

待合室で不安げに待っていた泉海さんに
ケガがたいした事なかったと伝えると
ホッと安堵していた。


そんな話をしながら
正面玄関まで歩いていたところで…


「セツナ!」


タクシーを横止めし
降りてきたジンが
慌てた様子でこちらに駆け寄ってきた。


「あ、ジン…」

「セツナ…お前、そのケガ…」


思っていたよりも想像以上に酷く見えたのか
緊張で強張った表情をし言葉も失っている。


「見た目こんなだけど
 全然たいした事――」


“ないよ”と言い掛けた瞬間
背中に回された腕に引き寄せられて
ジンに抱きしめられてしまった。


ビックリした…


あまりに唐突すぎる行動に瞬きを数回
視界に映る景色はジンの胸元。


けれどアタシ以上に驚いていたのは
目の前でそんな行為を見せつけられた泉海さん自身だ。
完全にフリーズしてしまっている。


ジン本人は
まったく気にしてないみたいだけどさ…


「どう…したの。
 みんな(泉海さんも)見てるって…」


ココは病院の入り口だから
人の出入りもそれなりにあって
まわりの視線が刺さる刺さる。

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