続・隣人はクールな同期でした。

しかし
まったく引こうとしない風見。


「セツナさん大丈夫なんですか？
　何があったんですか？」

「だからお前には――」

「関係なくないです。
　好きな人に何かあれば
　心配になるに決まっているじゃないですか」


俺が拒絶するのを
前以てわかっていたのか
最後まで言う前に口を挟まれてしまった。

真剣そのモノの眼は
マジなヤツかよ。


「お前なぁ…
　よくそんなセリフを
　交際相手に堂々と言えるな」


こうなると
怒りを通り越して呆れて溜め息しか出ねぇ…。

しかも準備を中断してまで相手にしちまったし。


「彼氏であろうと
　俺は本当の事を言ったまでです。
　それが副編集長相手でも気にしないので。」


おいおい…すげぇ強気だが
こっちは「全部気にしろ」って言いてぇよ。

会社の上司に対して
どんな神経してんだか。


「意見とやらは聞いた。
　だが理由を説明するつもりもなければ
　お前が知る必要もない。
　ついでに言い合ってる時間もない。以上だ」


淡々と述べると
風見はまだ何か言いたそうな顔をしたが
俺は一切構わず会社をあとにした。