続・隣人はクールな同期でした。

ずっと苦しませていたのか…


「その事もずっと悩んでいたんだな…」


小さく頷くセツナの目から
涙が零れていく。

俺は最低だ…
泣かせて初めて
気持ちに気付くなんて…


昔の事とは言え
不安にさせると思って
ちゃんと話さなかった。

それがいけなかったんだ。


「俺は確かに大学時代
 マリカさんを…想っていた時期があった。
 でも彼女には付き合っている人がいたし
 片思いで終わらせる恋で諦めていたから
 気持ちを伝える事はしなかったんだ」


大学卒業する時に
『彼と別れた』と言われて
当時は戸惑ったりもしたが…
俺の中で終わりにした恋だったし
何よりも…
別れて寂しい思いをしているから
誰かの温もりを欲しがっているのが
すごくわかった。

だからそんな気持ちに応える気もなくて
むしろ冷めてしまって。

そうして離れて連絡も取らず
俺は引っ越して今の会社に就職し…
セツナに出会った。


「就職したばかりだったから
 恋愛はしばらくいいやって思っていたんだけどな…
 気付けばセツナを好きになってた」

「ジン…」

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