続・隣人はクールな同期でした。

アタシも
そんなにわかりやすい顔をしていたなんて…。


「今はもう
 略奪して成功するとも思いません。
 セツナさんにはキスしたのに全然なびかなかったし
 副編集長なんて
 彼女に何かあれば仕事中にも関わらず
 急に会社から飛び出しちゃうし。
 本当、ムカつきます…」


途中から
ほぼ愚痴に聞こえるのは気のせいだろうか。


「今回ばかりは本当に完敗、玉砕です。
 …副編集長に敵うはずがありませんでした」


最初はアレだけ意気揚々と
アタシにもジンにも強気に喧嘩を売っていたのに
今は完全に意気消沈している。


「それでも…
 好きになってしまった気持ちは
 どうにもならないです」

「…はい」

「だから…
 セツナさんを好きなままでいます」


言い放った最後の言葉に
目が点になった。

好きなままって…


「まだこれからわかりませんし
 気が向くように口説き続けますから。
 覚悟してくださいね」


ニコッと笑顔で
迷いない顔で言われてしまったけど。

口説くって…
覚悟って…何をするつもりなんだろうか。

諦めが悪いのは若い証拠?

< 134 / 151 >

この作品をシェア

pagetop