続・隣人はクールな同期でした。

『最低よね。私がしようとした事は…』と
涙を流しながら言う。


「泉海さん…」


初めて聞いた彼女の胸の内。

離婚の経緯も
彼女がした事も、知らなかった。


「でも2人の絆の強さを見て…
 アナタの人柄を知って
 自分がした事の間違いに気が付いた。
 七星さんは優しいジンくんに守られてるだけだって…
 私と同じなんだって勝手に思っていたけど
 全然…私なんかと違う。
 体中ケガした時も
 泣き言1つ言わず冷静で落ち着いていて…
 ジンくんを頼ったりしなかった。
 甘えてばかりの私なんかとは、全然…」


そして彼女は続けた。


「ジンくんが好きになった相手は
 すごくカッコいい人なんだって…
 そう思ったら
 彼がアナタを好きになる理由が
 わかったような気がする…」

「泉海さん…?」

「私は本当に最低…
 七星さんをたくさん傷つけてしまって…
 本当に、ごめんなさい…」


最後は消え入りそうなほど
微かな声で呟いたかと思うと
目を閉じソファに体が沈んでいく。


「え…」


眠っているのか
気を失っているのか
反応が返って来ない事に
頭が真っ白になった。
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