続・隣人はクールな同期でした。

完全無視を決め込んで
鞄と水筒を持って立ち上がると
それに気づいた風見くん。


「え、今来たばっかで俺ご飯まだなのに…
もう行っちゃうんです?
 寂しいじゃないですかぁ…」


上目遣いに甘えてねだるような目で見ないで。
そんな哀訴されても同情なんてしないから。

哀しむ視線を横目で流しながら彼に背中を向けると
同時に襲ってきた頭痛。


「…ッ」


ズキンと来た痛みによろけてしまい
咄嗟に窓枠に手をつきバランスを保つと
空いてる手でこめかみを押さえて落ち着くのを待った。

すると背後からの気配が―――


「セツナさん?
 どうしたんです?」


アタシの異変を見てわかったんだろう。

ついさっきまで目の前に座っていた風見くんが
気付けばすぐ後ろから肩に手をまわしてきた。

そしてそのまま肩に掛かる髪を触りながら
アタシにしか聞こえないくらいの小声で甘く囁く。


「髪…超サラサラ。
あ、こんなとこ見られたら
 勘違い…されちゃいますかね」


と―――


「やめてッ」


あまりに突然の彼の情欲的な言動に驚き
振り払うように体を離した。

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