続・隣人はクールな同期でした。
アタシ以上にビックリしていたのは
目を丸くして愕然と言葉を失う風見くん。
入社したばかりだから
早乙女さんがどんなコか知らないっか。

でも彼女の登場には感謝だよ。


「ありがとうね、早乙女さん。
 本当かなり助かった。
 行こ」

「え、ちょッ」


フリーズしている風見くんを無視し
スルっと腕の間をすり抜けると
早乙女さんの腕を引いて小走りに食堂をあとにした。


「なになになに!?
 ちょっと待ってよ!
 どういう事!?」


まったく状況が把握出来てないらしく
走りながらも質問ばかり。

まぁそれもそうだよね。
逆の立場でもあの現場は勘違いを起こす。


エレベータに乗り込み壁に寄り掛かると
深呼吸し逸る気持ちを静めた。

やっと少し緊張も解けた気がする。


「ジンっていう男がいながら
 アナタって人はッ!
 ちゃんと説明してよッ」

「それはね?」

「さっきの男って
 編集部に新しく入った新入社員でしょ?
 どうしてセツナさんが一緒にいたの?
 しかもあんな密着して…
 何がどうなっているの!?」


まるで頭から湯気が出ているかのような興奮だ。

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