続・隣人はクールな同期でした。

たぶん
“それ”が見えたんだ。


「な…んで…」

「…悪い。
 手術したばっかだし…な」


『着替えてくる』と
捨て台詞のように吐いて
ジンは出て行ってしまった。


今のって
拒否された…?


急に押し寄せる不安。


アタシの体に“傷”が入った事に
ジンは、幻滅してしまった?
抱きたいと思う気持ちが
無くなってしまった…?


高揚したドキドキとは違い
胸騒ぎへと変わる心拍数。


アイツの気持ちが
わかんないーーー



あれから結局
微妙な空気に包まれ
気まずい感じになってしまった。

夕飯時はお互い何も喋らず
黙々と食してるだけだし。

正直、拒否した理由を
何度も聞きたいって思った。

だけど…
傷がある事が気持ち悪くて拒絶されたのなら
女としても彼女としても
ツラさしかない。

だから聞けなかった。

でもジンがそんな事するはずないって…
絶対大丈夫だと思っていたい自分もいたんだーーーー



しかしこの小さな疑惑が
後々、悪い方向に向かっていくなんて…


ちゃんと言葉にしていれば良かった。

そんな後悔の念ばかりーー



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