続・隣人はクールな同期でした。

その後ろ姿を
最後まで複雑な表情で見つめていたジン。

以前この人と
何かあったんじゃ…


もちろん憶測でしかないよ。

でも久しぶりに会った相手なら
もう少し喜ぶような気がするけどな…

相手が女性だから
そこまでの感動がないのか?

感情を表に出さないから
わっかんないんだよね、ジンって。

だからアタシの考えすぎってだけならいいんだけど…


「アタシの住んでた部屋に
 まさかジンの大学の先輩が引っ越してくるなんてね。
 すごい偶然」


頂いたお菓子の封を遠慮なく開けながら
何気なく泉海さんの話を持ち出してみるモノの
ずっと浮かないジンは…


「…そうだな」


間があっての
たったその一言と…


「…煙草吸ってくる」


…だけ言って
ベランダに出て行っちゃったし。

逃げた?
あの人の話題は触れちゃいけない
タブーワードって事?


勝手な想像で決めつけるのは
本当に良くないよ、うん。
そんな嫉妬みたいなの
ただの面倒な女でしかない。
悪い事だってわかってる。


だけどどうしても
心に嘘はつけない。


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