続・隣人はクールな同期でした。
いろいろ突っ込みたいところだけど
我慢、我慢。


「帰る時間はいつもバラバラなので
 今日もわからないんですが…
 設備関係であれば
 マンションの管理会社に聞いてみたらどうでしょうか」


と、一応提案してみる。


「あ、そっか!
 その手があったね!」


“名案だ”と言わんばかりに喜ぶ泉海さん。

…天然なの?


「変な事を聞いちゃってごめんなさいね。
 ジンくんって昔からなんでも卒なくこなしちゃうし
 頼りになるから
 困ったときはよく彼に助けてもらっていたの。
 ついその癖が出ちゃった」

「・・・」


悪びれる事なくアタシの知らない過去を教えてくれて
こっちは思考がフリーズだ。


「でも今は七星さんって彼女もいるんだし
 それは良くないわよね」


アタシに対して
泉海さんから発せられる言葉1つ1つに
“嫌味”という鋭い棘しか感じないのは
気のせいだろうか…

いったいのこの人にとって
ジンって…


「泉海さん
 1つ聞いてもいいでしょうか」

「ん?」


こんな事を
この人に聞いたところで何も解決しないのに。


「ジンを、好きなんですか…?」



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