続・隣人はクールな同期でした。

聞いてしまったんだ。
触れてはいけない禁断の質問をーーーー


「いきなりどうしたの?」


アタシの問いに若干驚いた彼女は
大きな瞳で瞬きを数回しながら
頭の中はハテナでいっぱいの様子。

そりゃ突然そんな事を聞かれたら
アタシですら戸惑うわな。


「…いえ、突然すみません。
 なんでもないんです。
 忘れてください…」


訊ねてしまった事に対して
後悔のあまり本人の顔も見れず
部屋に入ろうと鍵を解除すると…


「好き…だったよ」


思わぬ返答に
今度はこっちが驚いて彼女の方に振り返ってしまった。


好き…だった?
今、そう言った?


「あ、でも…んー…っと
 正式には
 “お互い”好きだったって言った方がいいのかも」

「え…」

「お互いがお互い片思いで
 すれ違ってしまったから
 付き合う事はなかったんだけど…。
 それに…まぁ…なんて言うのか
 私は結婚しちゃったしね…」


言いづらそうにしているけれど
それでも泉海さんは素直に答えた。

質問したのはアタシの方。
それも予想通りの答え。
それだけに
本人から明かされた真実に心が痛む。

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